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2019年10月05日(土)

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機能不全家族で育ったあなたへ:第2回 気づかない方が幸せだった?

皆様、こんにちは。吉田美希でございます。

 

この連載は、機能不全家族で育ったと自覚している方々へ向け、普段の法律相談では話しきれない私の考えや想いを、私自身の経験を交えながらお伝えしていくシリーズです。

 

今日は、第2回目  ~気づかない方が幸せだった?~

★自分が機能不全家族で育ったと自覚したとき★

 

 

あなたが、自分の家族や家庭に違和感をもった時、きっと関連する本を読んだり、インターネットで関連情報を探したりして、まずは情報収集をしたと思います。

 

さらには、カウンセリングを受けたり、弊所の法律相談にいらしてくださった方もいるでしょう。

 

そして、自分は、どうやら機能不全家族で育ったということを自覚します。自分の抱えている生きづらさの原因がそこに隠されていることにも気づきます。

 

その時、抱く気持ちはどのような気持ちでしたか。

 

私は、初めて機能不全家族という概念を知ったときは、うれしくてたまりませんでした。読む本読む本、すべてにまるで自分の人生の答えが書いてあるような気がして、長い間抱えてきた違和感や辛さの正体がわかり、霧が晴れていく思いでした。

 

自分の抱えている問題がわかったのだから、解決策があるはず、であれば今日から人生は劇的に変わる!と思っていました。

 

しかし、それは長くは続きませんでした。原因がわかったところで、自分のこれまでの生き方や行動、思考はすぐに変えられるものではありません。生き方や行動、思考が変わらないのであれば、その結果である人生が変わるはずもありません。

 

それに気づいたときから、自分の育て直しにより生き方を大幅に変えることに成功するまでの間、私は7年もの間、大きな絶望に包まれました。

 

気づく前は、違和感を抱きながらも、それなりに生きてきました。今は、その違和感の原因がわかる、自分がやるべきこともまぁ言葉では頭ではわかっている。けれども、それを実践することができない、すぐに元の行動や思考に引き戻されてしまう、そんな状態は、本当に辛いものです。何となく違和感を感じながらも、それなりにやっていたのだから、前のままでよかったのではないか、と感じたことも何度もありました。

 

違和感の正体に気づかない方が幸せだった?そう自分に問いかけてしまう状況でした。

 

 

 

★気づいたあと、襲ってきたものは?★

 

私が、機能不全家族で育ったということを自覚した後、襲ってきたものは、喪失感、罪悪感、怒り、孤独感でした。

 

まずは、自分の失った時間に対する喪失感です。時間は不可逆です。人生は決して戻りません。自分らしく安らいで生きることができなかった時間の長さを考えると、自分の大切な人生を失ったような気持ちに襲われます。その喪失感はとてつもないものです。

 

同時に、罪悪感も抱きます。自分だけ変わっていいのか、幸せになっていいのか、不安でたまりません。また、自分の感覚を信じることができず、機能不全家族であると自覚をすることが、何か悪いことをしているかのような感覚に襲われます。

 

そして、言いようのない怒りがわいてきます。自覚すればするほど、やり場のない怒りがわいてきます。それは親に対してだけではなく、自分に対してもです。なぜもっと努力をしなかったのだろう、と自分を責めます。世間に対して見捨てられたような感覚をもつこともあるでしょう。

 

また、とてつもなく寂しい気持ちになります。孤独です。その孤独感に包まれているときは、はっきりいってその理由もよくわかりません。最近人に会っていないから寂しいとか、恋人がいないから寂しいといった感覚を優に超えている、言葉にならないほど、生存を脅かすほどの激しい孤独感でした。

 

これらについては、次回以降一つずつ掘り下げていきたいと思います。

 

 

 

★~幸せになること~それは人間の義務という覚悟で★

 

私は、これら喪失感、罪悪感、怒り、孤独感を抱えて、立ち往生しました。とても気持ちが不安定になりましたし、体調も崩しました。勉強や仕事にのめりこみすぎて自己破壊的な行動をとることもありました。大げさではなく、もう永遠に自分には心も体も安らげる生活は訪れないのではないかと思うこともありました。

 

 

そのような中で、一つだけ、絶対に私が忘れないようにしていた言葉があります。

「人生の義務はたったひとつしかない。それは幸福になることなんだ。」

 

ドイツの作家、ヘルマンヘッセの言葉です。他にも、アランの「幸福論」にも同様の言葉があります。

 

機能不全家族で育ったことを自覚した当初は、まだまだ迷いがありますし、恐れもあります。変わることはとても勇気のいることです。うまくいくとは限りません。どこにゴールがあるかもわかりません。

 

それでも前に進む、そう自分を鼓舞するために、「幸せになるのは義務」「絶対にあきらめない」と常に自分に言い聞かせてきました。

 

機能不全家族から離れて幸せを追求していいのだろうか、うまくやれるのか、そういう迷いや恐れを振り切ってくれる、私にとってはそんな魔法の言葉でした。

 

皆様ももし自分が幸せになることに迷ったら、ぜひこの言葉を思い出していただけたらと思います。

 

 

 

★過去と手をつないで勇気を出して未来を変えていく★

 

さて、悩みや迷いを振り切り、幸せになることを決めたら、あとは行動に移していくことです。気づかない方が幸せだったのか?と悩んでみたところで、あなたは気づいた、その過去の事実は変えようがありません。それに、あなたがそれに気づいたのは、他でもなく、自分の人生を変えようと行動したからです。

 

私もそうでしたが、機能不全家族で育つと、完璧主義、白黒思考、短期的な結果を追い求めがちであったりするところがあります。

 

しかし、人生に完璧はありませんし、ほとんどの物事の答えはグラデーションです。それに長い時間かけて身につけざるを得なかった不健全な思考や行動は、やはりそれなりに長い時間をかけなければ、健全な思考や行動に変えてゆくことはできません。

 

自分を変えていくことは、何も完璧を目指す必要はないですし、だれかに怒られるようなことでも、他人の評価を気にしなければならないようなことでもありません。

 

自分が幸せになるために行うことですから、ゆったり焦らずやっていきたいものです。

 

それに、あなたの過去を否定しないでください。過去のあなたは、一生懸命頑張り、環境に適応することで、身につけてきたたくさんの素晴らしいものがあるはずです。どうでしょうか。たとえば、親の顔色を見て生きてきた分、人一番、周りの人の気分や気持ちに敏感でいることができる方はいませんか。その特性を接客業等に生かすことができたら素晴らしい成果を上げるはずです。

 

すぐには難しくても、自分の過去さえいとおしく思えるように、その分、未来に向かってエネルギーを使っていきましょう。

 

 

以上、~第2回:気づかない方が幸せだった?~でした。未来に目を向けて今できることからやっていきましょう。弊所の法律相談では、今後の長い人生において、どのように行動することが良いのか、という観点から法的な問題を中心にアドバイス差し上げております。法的に解決策がある問題とそうではない問題の切り分けも行っています。

 

 

もっとも、未来に進むためには、まずは過去を受け止め自分の感情と向き合う必要があります。第3回以降は、上でご説明した喪失感、罪悪感、怒り、孤独感について掘り下げ、それらとも向き合い方についても考察したいと思います。

 

 

 

 

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