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2022年10月14日(金)

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【毒親解決事例】親との連絡窓口に弁護士を利用

 

最近、何人かの知人と話していて、法的紛争が現に発生していなければ、

弁護士には相談も、依頼もできないと思っている方も多いのではないかと感じたので、

こういう場面でも弁護士をご利用いただくことができるという意図で、

親との連絡窓口に弁護士を利用するケースについて、

ご紹介したいと思います。

 

 

 

【ご相談内容】

 

もともと過干渉な親で、若いころ、色々とあり、

それ以来、長年にわたり、親とは連絡を取り合ってこなかった。

しかし、そろそろ親も高齢となり、介護や相続のこと等で、

連絡がくるのではないか、と何となくびくびくしていたところ、

先日、ついに、連絡がきた。

 

 

携帯番号や住所は知らせていなかったが、

勤務先のホームページに顔写真付きで掲載されており、

それを見て、

他に連絡する先がなかったというのもあるだろうが、

親が勤務先の病院に手紙を送ってきた。

 

 

親からの手紙とわかった瞬間から、頭が真っ白となり、

動悸も激しくなった。

そのような状況なので、

しばらく開封することもできずにそのままにしていたところ、

今度は、親が勤務先に電話をかけてよこした。

 

電話対応した人が悪気なく取り次ごうとしてくれたが、

勇気が出ず不在と伝えてもらった。

しかし、電話対応した人に対し、

親から、連絡をするように伝えてほしいと念押しをした模様。

 

勤務先の人たちから、変に思われているように感じるし、

何より、今後、連絡を入れないと、勤務先への電話が続いたり、

勤務先に親が突撃してこないか不安・・・

 

 

【弁護士からのアドバイス】

まずはご相談していただいたよかったと、率直なお気持ちを伝えました。

 

本件は、まだ親から連絡がきた段階であり、

その具体的な内容まで把握できていませんが、

親が高齢であり、しかもかなり久しぶりに連絡をよこしたということは、

今後、介護・老後の生活費等の負担や

相続・遺言等の法的な話が出てくるであろうことは容易に想像がつきます。

 

そのため、早期に弁護士がかかわることで、より大きな紛争を未然に防ぐことにも

つながります。

 

さらに、この方は、幼少期からの心理的虐待により、

ご自身で冷静に親とコミュニケーションをとることは期待できない状況にありました。

 

もちろん、ご自身の心を守るため、無理に対応する必要はありません。

ただ、一方で、親子は絶縁できない以上、

いくら実態としての関係は疎遠であっても、

子であるということで、対応せざるを得ない法的課題があることも事実です。

 

そのため、ご自身では手紙を開封することができないとしても、

どこかのタイミングでは、手紙の内容を確認し、

対処策を考える必要があります。

 

また、親の側も、このまま連絡がとれなければ、

不安も手伝い、よりヒートアップし、

それこそ、ご相談者様が恐れているような、勤務先への突撃につながりかねません。

 

このようなことを防ぐためにも、ご相談いただくことができて、

弁護士として安心しました。

 

 

【弁護士からのアドバイス】

ご相談内容とご本人のニーズを踏まえると、

弁護士が代理人となって、親からの連絡窓口となるとともに、

親がご相談者様に対して伝えたい内容が法的な課題を含んでいるのであれば、

その法的な課題を解決することが必要と判断しました。

 

そのようなことをお伝えし、ご依頼いただきました。

 

そして、その出発点として、親から届いた手紙を

ご本人から預かり、弁護士において開封しました。

 

この手の親子関係においては、

親からの手紙には、幼少期と同様、子どもに罪悪感を負わせる内容しか書いてなかったり、

いかに自分が良い親であったかということを延々と一方的に語ってくる内容であったりすることも多いので、

手紙は、弁護士において確認の上、要点のみ、ご報告するというお約束をしました。

 

 

実際に開封した手紙には、

予想どおり、自分がいかに良い親であったかということも書いてありましたが、

法的に、より重要な内容の記載もありました。

扶養料の請求をしたいという意思表示と、

もしそれが難しいなら、あなたには遺産をあげたくないから、

遺留分を放棄してほしい、

という要求でした。

 

 

その内容をご相談者様に報告すると、

自分はもともと遺産を放棄するつもりで生きてきたし、

そうなっても問題ないように、経済的に自立できるよう仕事を頑張ってきたので、

遺留分は放棄して差し支えない、

一方で、家族もいるので、扶養料を親が亡くなるまで払うのは勘弁してほしい、

ということでした。

 

 

そこで、弁護士から遺留分放棄の意思があることを相手方に伝えるとともに、

家庭裁判所に遺留分放棄の許可審判の申立てを行いました。

 

特別、親から金銭をもらっているケースではありませんでしたが、

そこは申立書で工夫をし、結果として、裁判所から、遺留分の放棄が許可されました。

 

 

許可を得た後は、そのことを相手方に伝えました。

さらに、ご依頼者様が希望していたため、

今後、一切直接の接触は控えたい旨も記載しました。

 

 

それを伝えた後、

これまでは、いつ直接の連絡がくるかわからないという状態で、

不安で落ち着いた生活が送れなかったが、

自分の意向が相手に伝わったとともに、

今後は何かあれば相手も弁護士に連絡を入れるだろうと思えることで、

かなり安心して生活できるようになったというお声をいただきました。

 

 

【弁護士の分析とコメント】

今回ご紹介したケースは、扶養や相続絡みの話が出てきましたが、

特段そのような話が出ていなくても、

弁護士を親からの連絡を受けるにあたっての代理人とすることは可能です。

 

あなたが直接連絡をとることに抵抗がある親ということは、

直接の連絡をとることに抵抗を感じさせるような親子関係であるということです。

 

それであれば、今は現実化していなくても、

いつ法的な問題やトラブルが起こるかわかりません。

 

そのため、弁護士を連絡窓口とすることは、

そのようなトラブルを防いだり、万一起こってしまっても早期に解決することにつながります。

 

※弊所の解決事例は、基本的にこれまでの色々なケースを組み合わせた事例ですので、特定の方のケースということはございません。また、特定の方のケースに大部分依拠する場合、必ずご本人の了承を得ております。弊所にご相談あるいはご依頼いただいたからといって、そのご事情が外に漏れることは決してございませんので、安心してご相談くださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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