2018年04月25日(水)
- コラム
- 離婚事件
1号:相手が不貞行為をした場合
不貞行為とは?
不貞行為とは,配偶者のある者がその自由意思に基づいて,配偶者以外の者と性的関係をもつことをいい,性的関係とは,肉体関係のことを指します。
ただし,プラトニックな関係であったとしても,それが通常人の感覚に照らして看過できない場合,「不貞行為」には該当しなくても,5号事由(=婚姻を継続し難い事由)として,離婚事由になることがあります。
もっとも,裁判では,不倫の疑惑では足りず,証拠によって証明しなければならなりません。証拠としては,探偵の調査報告書でラブホテルに入る写真と出る写真がある場合,直接不貞の事実を認めた念書や録音データ等があげられますが、証明のハードルは低くはありません。
★有責配偶者からの離婚請求
不倫して不倫相手に本気になった夫が離婚を希望。しかし,妻は,子どももいるし,今後の生活もある,それに夫に愛情が残っているから,まだ離婚したくない・・・
このようなケースは,夫からの離婚請求は有責配偶者(責任のある配偶者)からの離婚請求ということで,判例上,裁判所は離婚を原則認めていません。これで離婚が許されてしまったら妻が踏んだり蹴ったりだからという考えがベースにあります(「踏んだり蹴ったり判決」)。
ただし,以下の要件がある場合,例外的に有責配偶者からの離婚請求も認められます。(裁判例集参照:昭和62年9月2日最高裁判決←上記「踏んだり蹴ったり判決」を変更)
(1)同居期間に比して別居期間が長期である
(2)夫婦の間に未成熟子がいない
(3)離婚を認めることによって,離婚される側が,精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状況に置かれる等離婚を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情がないこと