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2021年10月21日(木)

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毒親に内容証明を送らず放置した場合の不利益3つ

毒親に内容証明を送るにあたっては、こちらで考察したとおり多くの葛藤があり、精神的に大きなご負担になりますし、コストもかかりますので、決断を先延ばししたいという方もいらっしゃいます。

 

 

とても重要なことですが、弊所では、絶対に無理して決断させるということはありません。

 

 

親子問題は、クライアント様の人生における課題であって私の課題ではありません。私は、クライアント様自身が少しでも幸せになれるようにと祈ってこの仕事をしています。

 

 

そのため、クライアント様一人ひとりが納得して前に進めることが一番重要であると考えておりますし、親とどういう関係を持っていくかということは正解がないことですので、クライアント様ご自身が、自分の意思と責任できちんと決断する必要があると考えております。

 

 

したがって、弁護士はあくまでも法律相談の場で、クライアント様がご自身で答えに辿り着けるよう、クライアント様のご質問に法的観点と経験を踏まえて丁寧に答え、時にクライアント様をエンパワメントし、クライアント様が決断するにあたっての援助をするにとどめています。

 

 

ただ、弁護士の目からみて、明らかにクライアント様ご自身で解決可能な状態を超えているにもかかわらず、なかなかご決断できない方がいらっしゃるのも事実です。そのため、内容証明を送ることが適切と言える場面であるにもかかわらず、決断を先延ばしした場合に生じる不利益について説明したいと思います。

 

 

 

 

 

●不利益1●

 

 

内容証明を送ることを先延ばしにすると、自分の親に対する気持ちや意思がいつまでも親にまったく伝わらず、その結果、これからも同様の精神的苦痛を被る可能性があります。

 

 

そもそも、親の嫌がらせ行為やつきまとい行為には、親にとっては、「子どものためを思ってやっている」「子どものことが心配だから」という大義名分があります。そのため、いきなり警察に相談をしても、明確に刑事事件化できるという場合でもない限り、対応できないとして突き返されてしまいます。

 

 

そのため、まずは、その親の大義名分を潰す必要があります。

 

 

あなたが何に迷惑し、何に精神的苦痛や恐怖を感じているのかを明確にした上で、それらの行為をやめてほしい旨を明確に伝える必要があります。

 

 

また、なぜ親に対して内容証明を送らなければならないほどに、信頼を失うに至ったのかということも伝えるとなお良いです。ちょっとした思いつきではなく、熟考し葛藤した上で内容証明を出しているということを伝えます。

 

 

 

機能不全家族における親は、とにかく子どもの気持ちに無頓着です。鈍感なのか、感じようともしていないのかは、人にとっても異なるでしょうが、子どもの気持ちを理解することができません。

 

 

そのため、迷惑であるということを明確に伝えなければ、子どもが自分のことを迷惑に思っているなどと全く思わなかった、私は子どものためを思っていただけなのに、という言い訳を永遠に許すことにもなりかねません。

 

 

もちろん、内容証明を送って真摯に伝えたとしても、親があなたの気持ちを真に理解する可能性は残念ながら極めて低いです。すでにわかっていらっしゃるとは思いますが、内容証明に書いただけで理解してもらえるのであれば、とっくに親はあなたの気持ちを理解しているでしょうし、そもそもあなたの気持ちを理解してくれる親であれば、弁護士に相談しようなどと思うはずもありません。

 

 

ただ、それでも、親に嫌がらせ行為やつきまとい行為について、親の「子どものためを思ってやっている」「子どものことが心配だから」という大義名分を内容証明という証拠に残る形で、一度明確に表明することは重要です。親の大義名分を潰すことができれば、その後、また嫌がらせ行為やつきまとい行為が続いたり、いったん落ち着いてまた再燃したりした時に、法的措置をとることができる可能性が大幅にアップしますし、警察や役所に相談した際にも、真摯に取り扱ってもらえる可能性が大幅にアップするからです。

 

 

 

夫婦間や恋人間のDVや、ストーカー規制法が適用される恋愛感情に基づくつきまとい行為については、相手のためを思ってやっているという言い訳は通用しません。しかし、まだまだ親子となると、子どものためという言い訳が簡単に通用してしまうのが社会の実情です。だからこそ、その言い訳を潰しておき、今後の被害や紛争を抑止するとともに、万一被害を受けた際には、対処しやすい状況を構築しておくことが大切です。

 

 

 

 

 

●不利益2●

 

 

内容証明を送ることを先延ばしにすると、事情を知らない親戚や、親が安否確認をお願いした警察官や賃貸物件の管理人さんなど、周りの人から、精神的苦痛を受けてしまう場面が生じ得ます。

 

 

上記にも記載したとおり、親が子どもに対して、嫌がらせ行為やつきまとい行為をする場合、親は、「子どものためを思ってやっている」「子どものことが心配だから」という大義名分をふりかざします。

 

 

そのため、あなたが親からの行為を迷惑に感じ、無視していると、親族から非難されたり、親が安否確認を頼んだ警察官や賃貸物件の管理人さんからも、「親も心配しているんですよ、連絡してあげたらどうですか」などと言われてしまいます。

 

 

実際は、子どものためではなく、親自身の寂しい気持ちや退屈な気持ちを埋めるためであったり、親が自分の存在意義や自尊心を保つためにいつまでも子どもを支配するためであったりするのですが、はたから見たら、そのようなことは分かりません。多くの人は、自分の尺度でしか物を見ることができませんから、その人にとって親は子どもを心配してくれる温かい存在というイメージしかなければ、上記のような対応となってしまうのもやむをえないでしょう。

 

 

そうすると、ただでさえ、親からの嫌がらせやつきまといに悩んで疲弊しているところに、さらに追い討ちをかけるように周りから否定的なことを言われ、精神的苦痛を大きくしてしまいます。

 

 

しかし、親戚や警察官、管理人さんが、実は弁護士から警告の内容証明を送ってもらっているという事情を説明されたらどうでしょうか。ほとんどの人にとって、家族問題、しかも離婚や相続ではないにもかかわらず、弁護士を入れようなどと考えることはなく、だからこそ、あなたが内容証明を送ってきちんと対応することで、これは只事ではないし、自分の価値観に基づいて簡単に口を挟める内容ではないと悟ります。

 

 

結果、親族たちも、親の味方をして一方的に意見してくることは少なくなりますし、親から安否確認を依頼された警察官や管理人さんから連絡してあげたらどうかなどというアドバイスをされることは無くなります。そればかりか、嫌がらせ行為やつきまとい行為について、警察は、より真摯に相談に対応してくれるようになります。

 

 

内容証明を送るべき場面であるにもかかわらず、先延ばししてしまうと、あなたがどれだけ親の嫌がらせ行為やつきまとい行為によって迷惑を被っているのか、困っているのかということが周りに伝わらず、本来であれば助力を得られるはずのところで助力が得られないばかりでなく、精神的苦痛を受ける場面が増えてしまいます。

 

 

 

 

 

●不利益3●

 

 

内容証明を送ることを先延ばしにすると、紛争が拡大する可能性があります。

 

 

法的紛争全般に言えることですが、紛争の芽は早いうちに摘んでおくことが早期解決のためにはとても重要です。

 

 

実際に弊所でも多いのが、最初はなんとか親の迷惑行為を我慢していたが、そうしているうちにヒートアップし、配偶者も巻き込まれ、配偶者の勤務先へ接触をはかるようになってきたというケースや、子どもの保育園のお迎えに行ったら相手方が待ち伏せていたというケースです。

 

 

また、他には、親からの要求が法的にはおよそ根拠のない要求であるため、しつこいものの、放置していたところ、訴訟提起されたというケースです。訴訟は、一度訴えられると、たとえ事実無根と思われるケースであっても、きちんと対応しないと、原告の主張を全て認めたとされてしまいますので、必ず対応しなければなりません。しかし、ご存じのとおり、訴訟に対応するとなると、弁護士費用はもちろん、時間もかかる上、場合によっては当事者尋問の際、相手方と法廷で対峙しなくてはならないこともあり、非常に大きな負担となります。紛争は、できる限り、交渉段階で解決してしまった方が負担が少なくて済みます。

 

 

このように放置しておくと、紛争が拡大してしまうということが非常に多くあります。どちらのケースも、我慢を重ねるのではなく、早期に弁護士に相談すれば、内容証明や、数ヶ月間の交渉で解決できた可能性が高く、弁護士としてはもっと早く相談していただければよかったと感じざるを得ない、残念なケースです。

 

 

 

 

 

以上のとおり、内容証明を先延ばしすると、大きく3つの不利益があります。読者の皆様においては、ぜひ早期解決を目指していただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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